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眼科センター×再生医療
角膜潰瘍・損傷の新治療戦略

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角膜潰瘍・損傷の新治療戦略

重度角膜潰瘍

動物眼科では多く遭遇する病気です。眼の病気ということで命にかかわることはほぼないですが、甘く見てはいけません。角膜潰瘍は痛みや不快感、角膜混濁による視界不良で苦痛であり、生活の質が非常に下がるばかりでなく、適切な治療を速やかに行わないと思わぬほど簡単に角膜が穿孔して失明に至るリスクを伴っています。皆様の大切な伴侶動物が一生光を失ってしまわないために良い治療を受けるよう心がけましょう。

当ホームページ別項「角膜潰瘍」(「症例紹介」メニュー内)で詳しく説明していますが、角膜潰瘍では一番上部の組織(上皮層)の欠損から始まり、さらに進むとその下層の組織(実質層)が失われていきます。細菌感染、他の病気、医薬品などの影響によるもので、タンパク質分解酵素によって角膜実質を形作る骨組みタンパク質が病的過剰に分解されてしまうことで融けて欠損します。融解性角膜潰瘍です。

重度角膜潰瘍

治療ですが、単純な角膜上皮層の欠損は本来自然にもしくは簡単な治療で治癒します。一方、角膜実質まで及ぶ潰瘍はやっかいです。抗菌、抗炎症、角膜融解抑制、角膜保護、鎮痛のための点眼治療を行い、角膜損傷が重度であれば外科的な処置を行うこともあります。角膜穿孔を阻止し治癒に導くためには失われてしまった角膜組織の補填・修復を早急・確実に進ませる必要があります。既存の点眼治療はこれには対応していないので患者の自己治癒力に委ねることになりますが、必ずしもうまくいくわけではありません。患者の角膜の持っている修復力が十分ではなかったために融解に抗えなかったとも考えられるわけで、修復力を何らかの方法で底上げできればこの危険な状況を脱するのに大いに貢献するでしょう。

そこで長野どうぶつ眼科センターは、さくら動物病院のもうひとつの併設である長野どうぶつ再生医療センターとのコラボレーションで、角膜潰瘍・損傷の角膜修復力を底上げする新しい2つのバイオ点眼液を用意しました。角膜潰瘍・損傷の新治療戦略です。角膜再生を加速して、治癒へ走り抜けます。

① bFGF点眼液

人医療の皮膚改善用薬(主成分:塩基性線維芽細胞増殖因子bFGFのバイオ製造品)を原材料として、犬および猫の角膜潰瘍・損傷改善用の点眼液を用意しました。この成分の性質はよく解析されているので、作用が明確です。

期待できる効果

  • 組織修復に必要な血管新生の促進
  • 角膜実質の線維芽細胞の活性化による増殖促進と骨組みタンパク質の分泌増強
  • これらの効果による角膜実質の再生促進

② 幹細胞エクソソーム点眼液

幹細胞治療の主要効果成分である幹細胞分泌物・エクソソーム(犬幹細胞由来の精製品)を原材料として、角膜潰瘍・損傷改善用の点眼液を用意しました。幹細胞治療と似た作用が期待できます。

期待できる効果

  • 抗炎症効果
  • 組織修復に必要な血管新生の促進
  • 角膜上皮細胞の増殖促進
  • 角膜実質の線維芽細胞の活性化による組みタンパク質の分泌増強と増殖促進
  • 角膜実質組織の繊維化の抑制、リモデリングによる滑らかな角膜組織構築
  • これらの効果による角膜実質の再生促進
バイオ点眼液